近隣の「支え合い」で、命を、暮らしを守る!

第6地区「ふれあい安心ネットワーク」の取り組み

<東玉川学園地域でこの取り組みがスタートするまで>

 

玉川学園町内会第6地区(東玉川学園地域)の高齢化率(居住人口の内65歳以上の占める割合)は、25.4%。これは町田市の平均21.8%を大きく上回っています。また、65歳以上の一人世帯は163世帯で、地域世帯数の約2割に相当します。(町田市人口動態調査:2012.1)

この第6地区で、いま近隣住民同士が支え合って安心安全な暮らしを営んでいく「高齢者ふれあい安心ネットワーク」の取り組みが始まり、災害時の安否確認、平時においてもさりげない見守りを通して「孤立死」などが起こらぬようにと、具体的な取り組みの実践がスタートしました。

きっかけとなったのは、「3・11東日本大震災」でした。町田では震度5強で、大きな被害はありませんでしたが、不安感を強めた地区内支部のある班では会合を開き、「今後起こりうる大きな地震の時には、向こう三軒両隣で互いに安否確認をする。わが家は無事~を知らせる白いタオル(夜間でも目立つので)を門口に出す。緊急時用の家族名簿を作成する」などの具体的な取り組みを決めました。これとほぼ同じ頃、地区社協(玉川学園地区社会福祉協議会)では、「誰もが安心して幸せに暮らせるまち」を合言葉に、「ふれあい安心ネットワーク」構築に向けた取り組みを玉川学園地域内に広げていきましょう、と提唱。町内会第6地区にも、取り組み推進の要請がありました。

 

<手始めに現状把握から>

 

町内会組織である第6地区は、東急台支部・つつじヶ丘支部の二つの支部から成り、この春以降、地区会、支部会合などを通して、「安心安全な暮らしのために、今なにができるか」を話し合いました。その結果、まずは身の回りの現状を把握する。お一人暮らしの家、70代後半~80代お二人だけの家、在宅介護者のいらっしゃる家など、ご近所の状況を把握しようということになりました。(町内会非加入の方も含め)

その結果、アバウトではありましたが、戸建世帯の5軒に1軒強がお一人暮らし、又は高齢ご夫婦二人きりの世帯である状況が見えて来ました。このような現状を踏まえて、それでは具体的に何をどのようにしていくのか - 取り組みは次のステップに進みます。

 

<災害時の安否確認は、近隣同士の声かけから>

 

町田市では、強い地震や大雨などによる災害時に、安否確認や避難の支援をする「要援護者名簿」が作成されており、現在約8300人か登録されています。この対象となるのは、身体障害者手帳1級の方、要介護度3以上の方などとなっており、これらの方は民生児童委員を通して安否確認が行われることになっています。

一方、お一人暮らしの方は、「生活上自立できている」と見なされ、「要援護」の対象にはなりません。ですから大きな災害が発生した時には、近隣の方がまず安否確認の声かけをする。そしてサポートが必要な時には次の行動につながる支援体制が急がれます。自助、共助、公助 ― 大きな災害時、警察や消防が発生直後に個々の地域に出動する「公助」は不可能に近く、町内会組織(自主防災隊)、地元消防団、地域の支え合いによる「共助」が一番の頼りとなります。

 

<平時、さりげない見守りで支え合いを>

 

お一人暮らしの方に限らず、日頃「そっとしておいて欲しい」、「周りと余り関わりたくない」とおっしゃられる方もおられます。個々のプライバシーは大切にしなければなりませんし、余り踏み込んで立ち入ることは慎まなければなりません。

唯、お一人暮らし、高齢お二人だけの家など、何かがあった時、いざまさかの時、いち早く周りが察知することが大事です。そのため、新聞(郵便物)がポストに沢山たまったままになっている、洗濯物がずっと出しっ放しになっている、最近姿をみかけないなど、「異兆」が無いか気にとめる「さりげない見守り」もまた必要です。

町田市と第三高齢者支援センターでは、ご近所の高齢者をさりげなく見守る「あんしん連絡員」を募集しています。何かあったら高齢者支援センターへ連絡する「つなぎ役」ですが、町田市に登録している地域活動の協力者として欠かせない存在です。第6地区でも、「ふれあい安心ネットワーク」の取り組みを進める中、これまでに五名の方々が名乗りを挙げて下さり、新たに登録を済ませました。

 

<これから、取り組みを進めて行くにあたって>

 

災害時の安否確認、平時における「さりげない見守り」など、今後支部内の班単位、10~20軒くらいでの活動の広がりが望まれますが、その基本になるのは日常的な近隣関係にあり、信頼関係の構築、コミュニケーションをいかに深めていくか - ということが課題となります。(大変重要であり、かつ難しいところです。)

これまでの6地区の取り組みの中、日頃コミュニケーションがとりにくい方、とれない方については、旧知の方にもお願いし、会話を試みて頂きました。訪問の結果、普段殆ど家の中に居て姿が見られない方が、「災害時などに気にとめて頂けるなら、そんな有難いことはありません。お世話になります」と頭を下げられたり、日頃の健康状態や暮らしぶりを進んで話して下さる方もあり、まずは「ふれあう」ことから始まることに気付きます。

8月18日の第6地区会では、支部内の班単位での取り組みの可能性や具体的な進め方など検討する機会とさせていただきます。更にこのあと「高齢者あんしんキーホールダー」の普及、災害時「おたすけカード」の取り組みなど話し合いを重ねて行きたいと思います。

第6地区の「ふれあい安心ネットワーク」の取り組みは、まだまだスタートラインに立った処であり、支部内、班、個人により、それぞれ取り組みへの意識に温度差があります。こうした現状を踏まえつつ、この東玉川学園地域を「終の棲家(ついのすみか)」としたいと願う者同士、近隣で支え合い、命を、暮らしを守る - あせらず、地道な努力を重ねていきたい、と考えます。皆様お一人おひとりのお力をお寄せ下さい。

 何とぞよろしくお願いいたします。

 

平成24年8月  第6地区長 斎藤 記

 

写真:2012年敬老会にて  撮影:藤村雄一   フォトクラブ「彩」