大ケヤキが切られる?? (顛末記)

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発端

今夏、暑い暑い8月末日、駅前の大ケヤキの前に沢山の地域の人々が心配そうに集まって来ました。「大欅を残す会」の方がお呼びした、樹木医Aさんの話を聞くためです。

実はその3日前の8月28日に、市の道路部門から「あの大ケヤキは相当腐蝕しているから伐採したい」という驚くべき話が出てきたのです。

それは地域の桜の樹木診断の報告の最後に、大ケヤキを調べた結果として出てきたものです。

何しろ、この大ケヤキたるや、14年前の1998年(平成10年)に、道路整備のために切られかけたのですが、6369名もの署名が集まったので生き残った、正にこの地域のシンボルツリーなのです。

この日の樹木医Aさんのお話は、要約すると、「この木は元気。成長している」と。

 

第1章 スタート

それからが大変で、私達は、9月4日に町内会と地域3団体、合計12人で集まって地域会合を開いたのを皮切りに、「本当に伐採が必要だろうか」ということを懸命に調査し、詳細に強度計算を行なって市に申し入れ・・・、という一連の活動をスタートしました。

この地域会合は5回、市との協議は4回、合計で9回、3ケ月間に及ぶ長期交渉となりました。

その経過と結果は??——-要点だけを次に書きます。

 

第2章 別の樹木医Bさん

やはり「伐採の緊急性はない」との、心強いお言葉。

 

第3章 裂けないよう結束する

市は「裂けるかも」と。それでは、裂けないように結束すればいい筈です。「ケーブリング」と言って、出来るのです。まずそれを市に提案しました。

 

第4章 結束すれば強度はもつ  

大枝3本を結束すれば、直径1mの大木。計算可能です。

台風を前提に、腐蝕の程度も入れて強度計算をしました。トータル40頁の技術検討書を作成。

—–(使ったデータ1) 凄い実験「トラックに本当にケヤキを積んで走行し、枝葉への風圧を実測した実験」を発見。そのデータは私達の風圧計算の出発点に使いました。

—–(使ったデータ2) もっと凄い実験「風圧が木を倒すチカラを実測するため、何と66本のカラマツを本当にウィンチで引き倒した実験」も発見。これは私達の強度計算の「検算」に使いました。

その結果、「台風の基準風速34m/sの時、折損へのマージンは44倍あり、全く問題ない。

この倍近い風速60m/sでも充分なマージン(11倍)がある。」という結果を得ました。

 

第5章 市へ申し入れ

私達:「大枝を結束するだけで、マージンは充分」と申し入れました。

 

第6章 市の意向。協議。

市役所の意向は、「市民への危険を避けることを目的として、リスクを無くすべく伐採案を作成した」ということでした。

私達の申し入れ内容に、市は、従来の管理システムの観点から「地域の樹木医は診断カルテが無い」「市は、委託した樹木医ベースで判断。強度計算は一般的でないので使用できない」と、大筋は拒否でしたが、協議により、「伐採はしない」但し「大枝を結束。分岐部の上方で切る(大幅剪定する)」という方向に。

 

第7章 最後の交渉

剪定位置が焦点となり、私達;「樹冠の3/4」、市;「付根上約5m」で平行線。

 

第8章 結果は‥

市は剪定位置を譲らず、「付根上約5m」で最終決定。協議は終結しました。

 

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つまり、1月頃、3本の大枝を結束し、その分岐部分を残し、枝葉を大きく剪定することに。

今回は伐採には至りませんでしたが、残念ながら大ケヤキの樹形は見る影もない姿に変わります。

又、もし腐蝕が進行してくれば、伐採を含めて対応を検討することになっています。

(今回は、腐蝕を抱えて、言わば「執行猶予」の状態かも知れないのです)

 

環境部 柴田信之

 

写真:玉川学園北口駅前の大ケヤキ2012年12月  撮影:環境部 柴田信之