玉川学園在住犬採集 一回目

 

採集日 2013年3月14日(木)晴れ 午後4時30分~5時15分

調査方法 犬の散歩コースで定点調査の予定だったが、待っているだけでは、なかなか散歩犬がこないので、こちらも歩く方法に変更。調査方法の概略は以下に記す。

調査方法 

散歩人を見つけると、まず「こんにちはー、可愛いですねー、なに犬ですかー?」と声をかける。

次に首または頭をなでる。

「私たち、玉川学園にいる犬の調査をしているんですがー」。

この時点で散歩人は軽く「は?」と怪訝な表情を見せるが、かまわず「お名前は?」と犬をなでながら問いかけると「○○でーす」と、怪訝な表情は消える。

それから後は友好的な会話を実行、その間に湯村はスケッチを素早くする。

最後に「ワンちゃんだけ写真撮ってもいいですか?」と塩澤。

「どうぞー」。

これで調査1件終了。

湯村は犬に詳しいので、鉛筆を走らせながら犬種の特長などを散歩人と話すこともある。

最後に「またね、○○ちゃん」と、別れの挨拶をして、次の散歩人を見つけるため歩き出す。

犬種、年齢、名前等を聞きながら、散歩人と話し込んだりするので、調査がはかどらない。

「この子は・・・、うちの子は・・・」という言葉も頻繁に出てくる。

 

犬採集01

 

 

玉川学園の町は一戸建て住宅が多い。

在住という言葉をあえて犬につかったのは、「飼う」というよりも「家族」という感覚が強いと感じたからだ。

私(塩澤)がこの町に越してきたのは25年前(1989年)だったが、当時はラブラドール、アフガン・バウンド、オールドイングリッシュ・シープドッグ、グレートデン、ゴールデンレトリバー、シェパード、ポインターなど大型犬がのっしのっし、あるいは貴族のような雰囲気で行儀よく飼い主と散歩していた。

 

在住犬統計1

 

1990年代半ばにはシベリアンハスキーが流行った。

当時のマンガ『動物のお医者さん』(佐々木倫子・著1993年初版)の主人公の飼い犬「チョビ」が有名になったため、ペットショップで人気犬として売れた。

しかし実際に飼ってみるとマンガの世界とは違い、成犬になると持て余して捨てられてしまうケースが各地で発生、また過剰に大量繁殖させたため流行らなくなり、シベリアンハスキーブームは去る。

時代はちょうどバブル期、「ブーム」というものは熱しやすく冷めやすい現象が犬の世界でも起きた。

シベリアンンハスキーにとっては災難この上もなかったであろう。

人間語が話せたらブリーダー、ペットショップ、飼い主は訴えられて当たり前の現象だった。

小型犬の流行のきっかけについてもメディアの介在がある。

2002年夏から始まった某金融会社のテレビコマーシャルにチワワという小型犬が登場、真っ黒なつぶらな瞳で主演者の清水章吾をみつめる姿から、チワワブームが始まったが、2006年、金融庁の業務停止命令を受けて、このコマーシャルは姿を消し、チワワブームも去る。

 

文:塩澤珠江   漫画:湯村泰子

 

 

 

※ 次回は玉川学園在住犬採集 二回目です。お楽しみに!

 

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