この町 おさんぽコラム 4号!

 

公園や道ばたの花壇などでよく目にするサルビアは、オリンピックの余熱冷めやらぬブラジルの原産。町田市では昭和四十七年に「市の花」に制定されました。活気あふれる町のイメージとぴったりだからということです。

 

まっすぐに伸びた茎から四方に飛び出す真っ赤な花は、今にも踊り始めそうなほどエネルギッシュ。たしかに明るくノリの良い南米の雰囲気がただよいます。筒状のその花をぽんっと引き抜けば、根元はスポイトの先のようなかたちをしていて、ここを吸うと甘い蜜を味わうことができます。

 

私が小学生だった三十年前も、学校の花壇にはサルビアがたくさん植えられていました。ある日、これらに蜜があることを私は得意げに級友に教え、味見をさせてあげようと花に手を伸ばしました。するとその級友から「だめだよ!花壇の花を取っちゃ!」と注意され、大いに恥じ入ったものです。甘いと思ったら苦い、けれど今となっては微笑ましい思い出です。

 

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文・画 村山尚子

 

 

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