この町 おさんぽコラム 5号!

 

ほんの十年前まで、この町にはノラ猫がたくさんいました。彼らは痩せていて、ぼさぼさの毛をし、人を敵と思ってにらみをきかせていました。そして朝は生ごみを荒らし、夜になればギャーギャーと大騒ぎをしていたものです。

 

しかし今、ノラ猫の数は格段に減りました。人の暮らしと猫の健康を心配するこの町のボランティアさんたちのおかげです。ノラ猫がむやみに増えないように処置を施し、里親を見つけたり、または半ノラの地域猫にして食事の世話やブラッシングまでしたりして下さっています。

 

こうして人に愛情をかけてもらえるようになった猫たちは、人を仲間と思うようになり、お行儀も愛想もよくなりました。彼らの姿に癒される町の人も少なくありません。と同時に、ノラ猫が及ぼしていた人の暮らしの問題が減少しつつあることにもふと気づかされるのです。

 

「おはよう」とあいさつすれば「にゃ~ん」とこたえてくれる。そんな彼らと出会えるお散歩を、私も日々楽しんでいます。

 

この町猫カレンダー

 

文・画 村山尚子

投稿@広報部