この町 おさんぽコラム 8号”南天”

 

お盆に雪をまるく盛って、そこに南天の実と葉をあしらえば……そう、雪うさぎです。子どものころ、こんな昔ながらの遊びをしました。赤くてつぶらな目をした雪うさぎはとても愛らしかったです。

枝がしだれるほどたくさんの実をつける南天は、花の少ない冬の散歩道に明るい色を足してくれます。その名が“難を転ずる”に通じることから、縁起のよいものとしてお正月の飾りにもよく使われます。

南天と名のつくのど飴がありますが、これは実を乾燥させて煎じたものが咳止めの薬として用いられてきたためです。また、葉には毒消しの効果もあるといわれ、料理に添える風習は今でも残っています。

わが家のお正月用の重箱には南天の絵が描かれています。なんだか新年も福がおとずれそうな気になりますし、ついでに、詰めたおせちでお腹をこわすような心配もなさそうで重宝しています。

文・画 村山尚子

投稿@広報部

2016年12月町内会だより この町おさんぽコラム