この町おさんぽコラム30号”ギンナン”

 黄葉したイチョウの木の下で地域猫と遊んでいたら、風に吹かれてギンナンの実がぱらぱらと落ちてきました。その実がさくらんぼのようでかわいかったので、拾い上げて手の中で転がらせていると、ふと思い出しました。「あれ?これって触るとかぶれるんじゃなかったっけ……」。私は猫にさよならも言わず、手を洗うためにあわてて家へ戻りました。  

 串焼きにしたり茶わん蒸しに入れたりなどして食べられるギンナン。こくがあっておいしく、栄養も豊富です。この食用の部分は、においのある柔らかな皮をむいた中の、さらに、ラグビボールのかたちの硬い殻の中に入っています。その皮のほうにアレルギーを起こす成分が含まれていて、人によっては触るとかぶれてしまうことがあるのです。

 さて、ギンナンの実を触った私のその後ですが、しばらく戦々恐々としていたものの、すぐに手を洗ったのが功を奏したのか、かぶれずにすみました。 

 秋の風物詩であるギンナン拾いですが、その際は手袋などして、素手で触らないよう注意なさって下さい。

この町おさんぽコラム 30号 ギンナン

 

– 文・画 村山尚子 –

投稿:@広報部