この町おさんぽコラム31号”キジバト”

 「クークー ポッポー」とやわらかな声で歌うキジバト。この町ではスズメと同じくらいよく見かけられる鳥です。性格もおっとりしていて、枝の上や地面をゆったりと歩きながら、種や実を優雅についばみます。いつも一羽で静かに、もしくは、つがいで仲良く、時を過ごしています。

 この夏、商店街の、あるお店の入口横の木にキジバトが巣をつくりました。人通りの多いところですが、キジバト一家がおとなしいため、気づいている人はあまりいないようでした。お店の人も優しく、ひなたちが木の下に落とすふんを毎日快く掃除し、夜は外灯を巣のあたりだけ消したりされていたそうです。そして、ひなたちが無事に巣立った時は、うれしそうに顔をほころばせておられました。

 と思ったら、その後の数日、ひなたちが巣に戻ってくつろいでいるのを何度か目にしました。そういった習性がキジバトには、まれに確認されるそうです。 そのひなたちも、よっぽどそこが居心地よかったのでしょう。

この町おさんぽコラム 31号 キジバト

 

– 文・画 村山尚子 –

投稿:@広報部