この町 おさんぽコラム 7号”みの虫”

みの虫はミノガという種類のガの幼虫です。
夏、お母さんのみのから出てきた裸ん坊の幼虫たちがまず初めにするのは、自分のみのを作ること。


木の葉をかじって千切り、口から吐く糸でそれらをかがって作ります。
体の成長に合わせて継ぎ足しや修繕をくり返し、みのをどんどん大きくしていきます。


そして寒くなると、みののてっぺんを木の枝や民家の軒下などにくくりつけて冬ごもりをします。
みのの中で小さくなりながら、春、立派な成虫になることを夢見て……。


「みの虫の音を聞きに来よ草の庵(芭蕉)」「みの虫の首ちぢめたる嵐かな(子規)」など俳句にも数多く詠まれ、昔から風物として親しまれてきたみの虫。ですが近年、外来種の寄生バエによって、その数はどんどん減ってしまっているそうです。


もしみの虫を見かけたら、彼らの息災と夢の成就を祈りつつ、どうかそっと見守ってあげて下さい。

2016年11月町内会だより この町おさんぽコラム

文・画 村山尚子

投稿@広報部