この町おさんぽコラム17号 “ヒガンバナ”

 

ヒガンバナは、お彼岸の時期に開花するのでそう呼ばれます。田畑や道ばたでも見られますが、お墓参りに行くと、ちょうどそこに咲いていたりもするため、「お彼岸の花」のイメージが持たれています。

別名「マンジュシャゲ」は大昔のインドの言語、サンスクリット語で、「天上に咲く花」という意味があります。神さまがこの花を地上に降らせたという伝説もあり、縁起の良い花とされています。

たしかにヒガンバナの花には神々しい美しさがあります。ウェーブのかかった細長い花びらは下向きに、長いおしべやめしべは上向きにカールしており、女性のよそゆきの髪型のような華やかさもあります。

ちなみに花が咲き終わると細長い葉が次々と出てきて、冬から春にかけて茂り続けます。

ふさふさとしたその上に猫が乗っかり、心地よさそうに目をつむるのは風物詩でもあります。「マンジュシャゲ」の意味に、「ときどき、猫のソファ」とつけ加えてもよいのではないかと思うほどです。
 

– 文・画 村山尚子 –

投稿:@広報部