この町おさんぽコラム48号 “ クマバチ ”

 

ロシアの作曲家、リムスキー・コルサコフの『クマバチは飛ぶ』は誰もが聴いたことがあると思います。クマバチがブブブブブと大きな音を立てながら、せわしなく飛び回る様子が表現された小曲です。

ミツバチの三倍はある大きな体で、しかも黒くて毛むくじゃら、手足もずんぐりとしたクマバチがそんなふうに飛んでいたら、たいていの人はびっくりしたりおびえたりするでしょう。しかしクバマチはとても温厚で、自ら人を刺すことはありません。ひたすら花の蜜を集めている一生懸命な性格で、動いている人を仲間と間違えて近寄ってしまうちょんぼをよくする愛らしいハチです。

体のわりには小さな羽なので疲れやすいのか、たまに道路に落ちているので、私は素手でそっと拾い上げて花のところに戻します。今までクバマチに怒られたり刺されたりしたことはありませんが、みなさまがもし拾われる時には、念のためハンカチや葉っぱなどをお使いになることをおすすめします。

– 文・画 村山尚子 –

広報部より

「この町おさんぽコラム」連載は4月号で最終回となります。 4年前、広報部長になった私は町内会だよりに玉川学園生まれで多岐にわたって活躍されている村山尚子さんにコラムとイラストの連載依頼のお手紙を書きました。村山さんは快く引き受けて下さり、毎月、玉川学園の草、木、花、虫、鳥などを紹介し執筆していただき4年間で48編にもなりました。

読者の方からもこんな感想がありました。動植物の事を詳しく知る事が出来き、興味をもつことができました。読んでいると心が温かくなりました。今日はちょっと落ち込んでいましたがイラストの鳥の目を見たらくすっと笑ってしまい元気になりました。周りにいる生き物が愛おしくなりました。等々…

町内会では玉川学園が東京郊外の自然豊かで地域の生き物と共生できる町であり続けてほしいという願いもあり、村山さんにボランティアで執筆していただきました48編128ページのコラムを春夏秋冬に章立てし、形にして残せたら素敵だと思っております。

投稿:@広報部