たま坂ことの葉 -広報部-

 今月号から、こちらの新コーナーは町内会活動に関わる内容と切り離して、日々の生活の中でのこと、雑多な事柄、趣味などを掘り下げて読者の広場にしたいと思います。

 私の二階のベランダからレ・マーニの事業所が見えます。事業所を眺めながら、みんな元気にしているかなあと思い、四ヶ月が過ぎました。コロナの影響で書道教室はお休みでしたが、今日は久しぶりにお稽古がありました。

 「こんにちは。今日は何書くの?」

 「お手本の中から好きな字を選んでね」

 「やっぱり好きな字を書く」

 「オッケー」と子ども達とそんなやり取りをして、ジェスチャーで合図しながら書道教室スタート!

 レ・マーニは児童発達支援・放課後等デイサービスを提供している事業所です。月に一回のお稽古でしたが私は九年近くこちらで子ども達と一緒に書道を楽しんでいます。みんな、その日、それぞれの思いがあり、その思いを字にします。その一瞬でしか書けない字がキラキラとした作品となります。

 卒業した子ども達の中に、いつも正座をして待ってくれていた少年がいました。お手本なし、書く字は駅名。駅名、路線名の漢字がわかっていても必ず、漢字辞書を横に置いて確認する。二時間で二十個以上の駅名を書く。私の知らない駅名がずらりと机に並び、ずいぶん遠くまで旅行に連れて行ってもらった気分になりました。

 漢字がわからないとすぐにスマホで調べてしまう私ですが、今でもその少年の真剣に辞書を引く姿、そして出来上がった作品を束ねる時の満足気な顔を思い出します。

 今日も教室の帰り、坂道を降りるとき、子ども達から素敵なプレゼントをもらっていることに気づき、心が温かくなります。

-広報部-