雨水と地震のお話し -防犯防災部-

 私たちの生活環境の中で,水の影響は多方面に渡ります。自然から供給される水は雨水としてそのほとんどが地面に浸透し滞留しながら地下水として海まで流れます。今回は地面に浸透した地下水の自然災害への影響のお話です。

 普段地下水がない地盤では雨水が浸透し滞留している間、重量が増え強度が低下します。波打ち際で作る砂山が水で飽和すると強度が小さくなり崩れ、水が引くと強度が戻りまた砂山を作れるようになります。同じ状況が身近な地盤でも起きています。町田市より土砂・洪水災害ハザードマップ(2019.11版)がそれぞれ別紙で配付され、土砂災害と,洪水リスクの高い箇所が個々に地図で確認できます。これに洪水ハザードマップの浸水実績区域(洪水リスクの高い範囲)を重ねてみると、降雨により地盤の強度が低下し土砂災害の流末域(土砂が流れて貯まるところ)となります。さらに地震が加わると斜面上方に向かって膨大な土砂災害リスク範囲が広がります。
 昨今、災害リスクの評価として降雨と地震との相乗作用により危険度が増大する事実が注目されています。2004年新潟県中越地震(M6.8)では、大雨と地震が重なったことにより甚大な斜面被害が発生しました。地下水位が元に戻らないうちに大地震が来たのです。首都直下地震で想定されるマグニチュード7程度の地震の30年以内の発生確率は、70%程度(2020年1月24日時点)と発表されています。この70%確率というのは天気予報で表現される降雨確率と同じ扱いです。雨が多くなる時期、いまどき洪水マップなどと思う方もこの視点でハザードマップを重ねてご確認ください。

-防犯防災部-