要石No.3

今回は、指定避難所(避難施設)、指定緊急避難場所(避難広場)、一時(いっとき)集合場所についてお話します。
「避難場所」と「避難所」の違いについて、内閣府のホームページに以下の記述があります。
『平成23年3月に発生した東日本大震災においては、切迫した災害の危険から逃れるための「避難場所」と、その後の避難生活を送るための「避難所」が必ずしも明確に区別されておらず、また、災害ごとに避難場所が指定されていなかったため、発災直後に避難場所に逃れたもののその施設に津波が襲来して多数の犠牲者が発生したなど、被害拡大の一因となりました。』
この反省を受けて、災害時における緊急の避難場所と、一定期間滞在して避難生活をする避難所とを区別するため、平成25年6月に災害対策基本法の改正を行い、新たに「指定緊急避難場所」と「指定避難所」に関する規定が設けられました。
指定避難所とは、災害の危険性があり避難した住民等を災害の危険性がなくなるまで必要な期間滞在させ、または災害により家に戻れなくなった住民等を一時的に滞在させることを目的とした施設です。
東京都が配付した「東京防災」では、「避難所」と「避難場所」を使っているのに対して、 町田市が作成している地域防災計画では、「避難所」を「避難施設」、「避難場所」を「避難広場」と置き換えて記述しています。この用語の違いから一部の町田市民には混乱が生じています。更に、避難場所(避難広場)に対する説明も、東京都(含む「東京防災」)と町田市では差異があります。

【避難場所(避難広場)の説明】
町田市には、市が指定した103箇所の避難場所(避難広場)があります。このうち、玉川学園・東玉川学園地域に関連する避難場所(避難広場)は、玉川学園大グラウンド、昭和薬科大学多目的グラウンド、三井住友海上玉川研修所グラウンドの3箇所です。
次の表に、避難場所(避難広場)に対する説明をまとめました。

避難場所(避難広場)の説明
町田市 大きな地震が発生した場合などに、一時的な避難や自主防災組織(町内会・自治会等)が互いの確認をおこなうために集合する場所。大きな公園や学校の校庭等の屋外オープンスペース。このほか市の指定した避難広場(避難場所)ではありませんが、自主防災組織等で選定している一時(いっとき)集合場所もあります。
東京都(東京防災) 地震による火災の危険があり、一時(いっとき)集合場所が危ないときに避難する場所。

【一時(いっとき)集合場所の役割】
東京都では、一時(いっとき)集合場所の役割を、「避難場所へ避難する前に、近隣の避難者が一時的に集合して様子を見る場所または避難者が避難のために一時的に集団を形成する場所で、集合した人々の安全が確保されるスペース」としています。
避難所が開設されるまで避難者を一時的に待機させ、避難所へ誘導する為、自主防災組織のメンバーが参集します。更に、防災倉庫を備えた一時(いっとき)集合場所では地域の防災活動の拠点として機能します。

【避難場所(避難広場)と一時(いっとき)集合場所の現状】
玉川学園・東玉川学園地域に関連する避難場所(避難広場)(前述の3箇所)には、防災資機材などを備蓄する町田市の防災倉庫はありません。つまり、雨露を凌ぐテントや手当のための救急セット、夜間の活動に必要な照明器具などがなく、更に、地域の外縁に位置し、防災活動の場として使用するには問題があります。
そこで、玉川学園町内会と傘下の玉川学園地区自主防災隊では、各地区に一時集合場所を設け、主要な一時集合場所には、防災倉庫を設置しています。防災倉庫には、救出救護や負傷者の搬送、消火に必要な資機材を備蓄しています。また、防災活動の拠点として機能させるためのテントや照明器具、発電機なども備えています。
玉川学園地区自主防災隊は、震度6弱以上の地震が発生した場合、近隣の安否確認を終えたのち、もよりの一時集合場所に駆けつけ、防災倉庫を開け、防災活動を行います。

【避難所(避難施設)について】
町田市では、立地等により震災時の避難所(避難施設)と水害時の避難所(避難施設)をそれぞれ指定しています。町田市内には、震災時の指定避難所(避難施設)が71箇所あります。その多くは市立の小学校や中学校です。町田市民は、自宅に危険が及ぶ恐れがある時や震災や水害で自宅に住めなくなった時に開設された指定避難所(避難施設)に避難することができます。市中の開設済みの指定避難所(避難施設)であればどこでも避難することができます。
玉川学園・東玉川学園地域に近い震災時の指定避難所(避難施設)は、町田第五小学校、金井小学校、南大谷小学校、南大谷中学校、成瀬台小学校、成瀬台中学校などがあります。一方、恩田川に近い南大谷小学校、南大谷中学は水害時の指定避難所(避難施設)から除外されています。
町田市の地域防災計画では、震災時の避難所(避難施設)の開設は、町田市の職員(指定職員:各避難施設に4人)と施設管理者(学校職員)、自主防災隊のメンバーが協力して開設することとされています。

 

《大地震発生時(震度6弱以上)の行動 》

地震による強い揺れを感じたら、

  • まず、自身の安全を確保します
  • 揺れがおさまったら、ドアを開け避難経路を確保します
  • 火災の有無や家族の安全を確認したら、門口に白いタオル を出して「無事」を知らせます
  • 門口などに白いタオルが出ていない近隣のお宅に声掛けし 安否を確認し、救出が必要と判断したら、近隣に手助けを 呼びかけ、一時集合場所の防災倉庫から救出用具を持ってきて救出します
  • 家族や隣人が無事なら防災倉庫のある一時集合場所に行き、救出・消火活動に参加しましょう

【避難所に避難する場合は、もよりの一時集合場所に集合します】

【一時集合場所や防災倉庫:地区で配付した防災マップで場所 を確認しておきましょう】